アマゾン利用急増で物流網変化-ヤマト、宅配便の設備増強
世界最大のオンライン小売業者、米アマゾンの日本での利用急増が物流網に変化をもたらしている。国内宅配最大手のヤマトホールディングスは、羽田空港に隣接する同社最大の物流ターミナルに1400億円を投じた。
「羽田クロノゲート」は7階建ての物流棟を備え、延べ床面積は約20万平方メートル。同社2番目の規模の物流ターミナル「厚木ゲートウェイ」の2倍の大きさだ。コンピューター部品から家電製品まで、アマゾンの国内当日配達を可能にしているのは、こうした設備の活用だ。
国土交通省によると、通信販売の増加に伴いトラックを利用した宅配便は約30年間で9倍以上に急増。航空機などを利用したものも20年で7倍となった。丸三証券の持田浩晃アナリストは、消費者が携帯端末を通じ、いつでもどこでも買い物できるようになった利便性が宅配便急増の背景と指摘。電気通信事業者協会によると、携帯端末加入者数は1996年1月末の844万人から、今年3月末時点で1億3955万人まで伸びた。
持田氏は、こうしたネットショッピングの広がりを取り込むべく、最も有利な位置につけているのが国内最大の宅配業者であるヤマトHDとみている。投資額の回収に時間はかかるものの、羽田空港の近くに施設を整備した判断は正しいと見ている。
ヤマトHD傘下のヤマト運輸の広報担当、大渕清隆氏は「通販需要の拡大に応じ、受け取り顧客重視のサービスを進化させてきた」と話す。当日配達以外にも、ネットやスマートフォンを通した配送中の荷物の追跡サービス、コンビニエンスストアでの荷物の受け取りへの対応などを導入したという。
市場は2桁成長
IT市場をリサーチするMM総研の調べでは、13年度の電子商取引市場は15.9兆円で、消費市場全体の5.6%を占めた。発表資料によると、スマートフォンからの利用はパソコンに次ぎ、「外出の際にも商品やサービスの詳細を検索し、購入する行動が見受けられるようになった」と分析している。市場全体では今年度に10.7%増、来年度は14.2%の成長で20.1兆円に拡大すると予想している。
国交省の統計によると、昨年度のトラックによる宅配便取り扱いで最大はヤマトHD傘下のヤマト運輸で、約16億6600万個でシェアは46.3%。佐川急便の約12億1900万個、日本郵便の約4億2800万個が続く。
バークレイズ証券の姫野良太シニア・アナリストによると、従来ヤマト運輸と佐川急便が分け合っていたアマゾンの配送委託は、昨年佐川が撤退したことでヤマトの取扱量が急増したという。ただ「利益ではそう恩恵を受けているとは思えず、アマゾン側と一段の交渉余地があるのではないか」と指摘した。
「非常に大切なパートナー」
アマゾンは2000年11月に国内サービスを開始。広報担当の今井久美子氏は、ヤマトは日本での事業にとって「非常に大切なパートナー」だと電子メールでコメントした。携帯端末からのアクセスを除く1カ月のアマゾンの日本語サイト訪問者数は10年の3000万人から昨年11月には4000万人に増えたという。出荷データは開示していない。
アマゾンの日本語サイトは、沖縄および一部離島を除く日本全国の届け先に「当日お急ぎ便」として、注文が確定した日のうちに配送するサービスを514円で提供している。
资料来源:bloomberg
转载时间:2015年04月09日
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责任编辑:北京秦藤